インプラントブログ

2018年5月22日 火曜日

くさび状欠損

くさび状欠損とは、歯の表面にできるくさび状、つまりV字の形をした欠損のことをいいます。
好発部位は犬歯や小臼歯の根元部分です。様々な原因によって歯と歯茎の境目が徐々にえぐれるように削れていってしまう症状です。
くさび状欠損は次のような症状を引き起こします。
1.知覚過敏が起きる
初期症状としては、エナメル質が削れて神経が近くなることにより、知覚過敏を起こします。冷たい物や温かい物を口に含んだときに、しみたり痛みが出たりします。我慢できないほどの痛みが出た場合、神経を取る処置が必要になります。逆に時間経過により第二象牙質が形成されて知覚過敏の症状がなくなることもあります。
症状がなくなると、治ったと思いこみ、悪化させてしまうケースもあります。
2.茶色く変色する
エナメル質の層がなくなり象牙質が露出すると、黄色く変色したように見えます。凹凸としているため着色もしやすく、虫歯との区別がつきにくいこともあります。
3.虫歯になりやすい
くさび状欠損ができている歯は汚れもたまりやすく、虫歯になりやすくなってしまいます。また、表面の固いエナメル質がなくなってしまったことにより歯質が弱くなっているため、虫歯が進行しやすい状態にもあります。神経の位置も近い為、放置すると虫歯が歯髄に達し、神経を取る処置が必要になることもあります。
4.歯の動揺、破折
欠損が大きくなると、歯を支えられなくなり歯の動揺が起きます。更に症状が進むと歯を破折してしまったり、抜け落ちてしまったりすることもあります。ここまでくると見た目にも大きく欠損していることがわかります。

くさび状欠損は虫歯以外の原因による歯の欠損です。以前は、歯磨き時のブラッシング圧による摩耗が原因であると考えられてきましたが、現在では、過剰な咬合力による欠損(アブフラクション)であるという見方が強くなってきています。
アブフラクションによって歯の根元の部分のエナメル質が崩壊し、そこへブラッシングなどの別の刺激も加わることによって、柔らかい象牙質がどんどん削れてしまうのです。
くさび状欠損の原因として次のようなものがあげられます。
1.噛み合わせ
噛み合わせが悪いと、特定の歯に過剰な咬合力がかかり、歯に亀裂が入ってしまうことがあります。亀裂から少しずつ欠損が生じ、やがてくさび状欠損を作ってしまうことがあります。
2.歯ぎしり癖
歯ぎしりによって歯が横に揺れると、歯頚部(歯の根元)に負担が集中し、構造上薄くなっているエナメル質が細かく破壊されていってしまいます。さらに弱くなったところに長期的に歯ぎしりのストレスがかかることにより、歯が欠けていってしまいます。隣接した数本の歯や、全周に及ぶくさび状欠損が見られることもあります。
悪い噛み合わせや歯ぎしり癖など、強すぎる咬合力が原因のくさび状欠損は、欠損の角度が鋭利であるという特徴があります。
3.オーバーブラッシング
異常な咬合力による負担に、さらにオーバーブラッシングという機械的な刺激が加わることで、さらにくさび状欠損の症状は進行してしまいます。
エナメル質が破壊され、ただでさえ弱くなってしまった歯質に強くブラッシングをすれば、歯は摩耗してしまいます。合わせて歯茎の後退も起きますので、象牙質が露出し、ますます摩耗が進みます。
やすりで擦ったように削れるため、オーバーブラッシングによる欠損は、噛み合わせや歯ぎしり癖による欠損に比べると、なめらかな削られ方をしているのが特徴です。
4.歯周病
歯周病による歯肉の後退も、くさび状欠損の一因になります。歯肉が後退すると、柔らかい象牙質が露出するため、刺激に弱くなります。歯周病はプラークの除去が大切なので、より一層ブラッシングに力が入ってしまった結果、摩耗が進んでしまうということもあります。

くさび状欠損の治療は、審美的な回復だけでなく、欠損ができた原因の治療が必要です。見た目だけを綺麗にしても、根本から改善しないと同じ事が起きてしまうからです。
根本的な治療として、噛み合わせの調整、歯ぎしり癖の調整、歯周病治療、歯磨き指導があげられます。合わせて詰め物や被せ物によって審美的な回復が行われます。

歯に異常な咬合力がかかっているということを、自分で気づくのはとても難しいことです。知覚過敏や見た目の変化によっておかしいなと思った時点で歯科医院に駆け込むのがベストですが、少ない情報では正しい原因を見つけてもらえないケースもあります。くさび状欠損の状態や原因は人によって大きく異なるため、正しい判断ができるかは歯科医院の知識や経験に委ねられてしまうからです。
信頼できる歯科医院で見てもらう必要のある難しい症状であるといえます。

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投稿者 大口弘歯科クリニック

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